第二節 眞瀧村会
眞瀧村会ハ議員拾二名ヲ以テ組織セラル。各部落ヨリ適当ニ選出セラレ居ルヲ以テ、議事上其他萬事ニ付、非常ニ都合好ク、常ニ円満ナル解決決議ヲナスヲ常トス。町村制実施以来未タ曽テ当局ト折合ハズ又議員間ノ感情其他ニテ紛擾ヲナシタルコト非ズ。
一、会議ノ沿革
昔ハ「行ハレムベシ、知ラシムベカラズ」ニテ人民ハ唯々「お上」ノ命令ヲ之レ守リ、政治ノコトニハ少シモ口ニスルコトヲ得ザリキ。明治維新ニ至リ、彼ノ優握ナル五箇條ノ御誓文発布アリ、其ノ中ニ「広ク会議ヲ起シ萬機公論ニ決スベシ」ト宣ハセラレテヨリ、古ノ制度ハ廃セラレ、此ニ自治ノ端緒ヲ開クニ至レリ。然レドモ、人文未ダ開ケズ、議事ヲ興スニ猶早カリシヲ以テ、未ダ直チニ実施ヲ見ルニ至ラザリキ。
明治八年ニ至リ、議会ヲ開クベキ前提トシテ、区会話條例ナルモノ発布セラレ、人民ハ各其ノ村ノ代表者ヲ以テ、民情意見ヲ自由ニ吐露スルヲ得ルニ至レリ。之レ即チ村会ノ初メナリトス。
区会話條例（明治八年制定発布セラレタルモノ） 。
第一条 方今中興尚浅ク、僻陋ノ村、闊人未ダ開ケズ、議事ヲ興ス猶早シ。今此ノ場ヲ開ク者ハ、但々人々ヲシテ各其肺肝ヲ吐露セシメ、漸次ニ協同開明ノ域ニ運ハシヲ要スルノミ。故ニ此ノ議事ヲ会議ト云ハズシテ会話ト云ヒ、議事者ヲ議員ト云ハズシテ会者トイヒ、議事案ヲ議案ト云ハズシテ口上書ト云ヒ、其ノ口上書ヲ綴ルコト能ハザルモノハ口頭陳述ヲ許シ、総テ村閭情話之眞況ヲ存ス。
第 二条 各区共其扱所ヲ以テ、会場ニ充ツ。扱所狭隘ナルトキハ、最寄相応ノ居宅ヲ見立、臨時僦用スベシ。
第 三条 会長ハ、戸長副戸長、会者ハ組惣代及ビ伍長ニシテ、其ノ組内人民ニ代ッテ從事スルモノトス。
第 四条 会話係、両人又ハ三人書役ノ内ヨリ從事ス。書役少員ノ箇所ハ組惣代ノ内ヨリ補選スベシ。
第 五条 部民ノ内話事ニ從事スルコトヲ願フモノハ之ヲ聴スベシ。
第 六条 会場ハ、一月一次或ハ両月一次部民稼業ノ繁閑ヲ斟酌シ、会長ヨリ之ヲ達スベシ。尤両月一次ヨリ少カル可ラズ。
第 七条 会者座席ノ順席ハ、先ヅ会長見込ノ条件ヲ終ヘ次ニ会者ノ意見ニ及ブベシ。
第 八条 会長ハ、会場ノ中央ニ着座シ、会話掛ハ其ノ右左ニ陪列スベシ之ヲ話席トナス。
第 九条 開場ノ初メ会話掛一人其ノ戸前ニ坐シ、会者到着ノ次順ヲ追ヒ、番号ヲ以テ其ノ姓名ヲ記シ、口上書ヲ出シモノハ又別ニ同断、其ノ姓名ヲ記置スベシ。
第十 条 既ニ開場ニ至レバ、会話掛先ズ口上書ヲ朗読シ、次ニ会者到着ノ順席ヲ追ヒ、一人毎ニ其ノ意見ノ有無ヲ問ヒ、意見アルモノハ喚起シ、話席ニ就カシメ、会長ニ対シ其ノ意見ヲ陳述シ了レバ、会長衆ニ向ヒ其ノ可否ヲ問フベシ。
第十一条 会長ニ対スル外会者衆ニ、論弁スルコトヲ許サズ。
第十二条 衆議可ト決スル件ハ、会話掛、其顛末ヲ詳記シ、各捺印ノ上開申許可ヲ経施行スベシ。
第十三条 衆議不可トスル件モ、会長ニ於テ採ルベシト認ムル分ハ、其旨詳記決ヲ県庁ニ仰クベシ。
第十四条 会長其外共、小民ニ対シ威勢権圧ノ所アルベカラズ。成丈ヶ会者ヲシテ其意見ヲ盡サシムベシ。
第十五条 会場中、無礼不行儀ノ振舞アルベカラズ。惣テ沈黙話事ノ輹達スルヲ要ス。
第十六条 官令公達、既ニ頒布ヲ経ル条件ノ中ニモ、各人容易ニ解シ難シト認ムル件ハ、会長ノ序、会長ニテ猶其旨趣ヲ辨命シ、人々ヲシテ盡ク通暁セシメ、復不之件ナカラシムベシ。人民ニ於テモ、其了解シ解キ条件ハ亦、其場ニ出デ会長ニ就テ質問スベシ。
此ノ條例ハ明治十一年戸長役場トナルト共ニ廃セラレ、議会トナリ議員ヲ選挙シテ連合村村会ヲ開会シ、総テノ事議事ニヨリ決議シタリ。カクシテ、明治二十二年町村制ノ実施セラルルニ至リテ村会モ又完備スルニ至レリ。
明治二十二年以来本村村会議員ノ交迭左ノ如シ。
二、村会議員附郡会議員（＊滝沢ノミ記ス）
| 大 正 二 年 四 月 一 八 日 |
大 正 二 年 四 月 一 八 日 |
大 正 二 年 四 月 一 八 日 |
大 正 二 年 四 月 一 八 日 |
大 正 二 年 四 月 一 八 日 |
明 治 四 一 年 四 月 一 八 日 |
明 治 四 一 年 四 月 一 八 日 |
明 治 四 一 年 四 月 一 八 日 |
明 治 四 一 年 四 月 一 八 日 |
明 治 三 七 年 四 月 一 九 日 |
明 治 三 四 年 五 月 一 五 日 |
明 治 三 四 年 五 月 一 五 日 |
明 治 三 四 年 五 月 一 五 日 |
明 治 三 一 年 五 月 二 日 |
明 治 三 一 年 五 月 二 日 |
明 治 二 八 年 四 月 四 日 |
明 治 二 八 年 四 月 四 日 |
明 治 二 八 年 四 月 四 日 |
明 治 二 五 年 四 月 一 日 |
明 治 二 五 年 四 月 一 日 |
明 治 二 二 年 四 月 一 日 |
選 任 年 月 日 |
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| 〃 | 〃 | 〃 | ヨ リ 大 正 二 年 四 月 一 八 日 失 格 |
改 正 町 村 制 施 行 ノ 結 果 総 選 挙 ニ |
明 治 四 三 年 四 月 一 八 日 |
明 治 四 〇 年 九 月 一 七 日 |
明 治 三 一 年 四 月 一 八 日 |
明 治 三 一 年 四 月 一 八 日 |
明 治 三 七 年 四 月 二 八 日 |
明 治 三 四 年 五 月 一 四 日 |
明 治 三 四 年 五 月 一 四 日 |
明 治 三 四 年 五 月 一 四 日 |
明 治 二 六 年 七 月 二 八 日 退 |
明 治 三 一 年 五 月 二 日 |
明 治 三 八 年 四 月 四 日 |
任 期 満 了 年 月 日 |
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| 事 故 |
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| 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 滝 沢 |
住 所 |
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| 小 野 寺 清 三 郎 |
小 野 寺 安 之 丞 |
阿 部 吉 五 郎 |
渡 辺 養 三 郎 |
菅 原 和 四 郎 |
佐 藤 彦 左 ェ 門 |
小 野 寺 安 之 丞 |
千 葉 巳 代 吉 |
菅 原 萬 治 |
小 野 寺 安 之 丞 |
蜂 谷 宗 三 郎 |
千 葉 政 治 |
菅 原 永 三 郎 |
黒 沢 利 惣 ェ 門 |
蜂 谷 辰 治 |
千 葉 政 治 |
蜂 谷 館 治 |
千 葉 巳 代 吉 |
菅 原 永 三 郎 |
黒 沢 利 惣 ェ 門 |
菅 原 角 四 郎 |
氏 名 |
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真滝村選出郡会議員
明治三十二年三月法律第六十五号ヲ以テ郡制ヲ公布セラレタル以前ニ於テハ、郡会ト称スルモノナク、郡ニ於テハ、郡内各町村連合会ナルモノヲ設ケ、各村ヨリ連合会議員一名ヅツヲ選出セシメテ会議ヲナシタリ。
其ノ本村ヨリノ選出議員ハ左ノ如シ（選出ノ順序ニヨル）
一、 熱海 懿
一、 小野寺英作
一、明治二十八年ヨリ郡制施行マデ 菊池恒美
郡政施行後ノ郡会議員左ノ如シ
一、自 明治三十二年十月五日
至 明治四十四年十月五日 小野寺英作
一、自 明治四十四年十月五日
至 現時 渡辺養三郎
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底本：「復刻 眞瀧村誌」
2003（平成15）年6月10日発行
発行者 眞瀧村誌復刻刊行委員会
代表 蜂谷艸平
2004年3月10日作成