第十四章　生　業

　第一節　總　説

　本村ハ、農業ヲ以テ唯一ノ生業トシ、農業以外特殊ノ生業、牧畜業・工業等ノ如キハ曾テアラザルガ如シ。本村大字牧澤ト称スルハ、平泉藤原氏時代ノ牧場ナリト云フ説アルモ、唯之、一ノ傳説トシテ傳ワルノミ。何等調査スベキ材料更二ナシ。
　明治四拾参年頃、狐禅寺部落ニ於テ産馬ヲナシ、一時発達ノ徴候アリシガ、其ノ後、遅々トシテ振ハズ。工業ト目スベキモノハ古来ヨリ一モナシ。副業ハ養蚕・製紙等ヲ第一トシ、外ニ猶数種ノ副業行ハル。詳細ハ節ヲ追ッテ記述スベシ。


　第二節　農　業

　一、明治三年産高調
　本村農業状態ヲ記述スルニ先チ、本村ノ耕作土地及農家戸数ヲ指ブベシ。往古ノ状態ハ據ルベキ古書ナク、調査スル能ハズ。
　明治三年六月一関藩庁ノ調査ニ據ル本村ノ高ハ左ノ如シ。

　　　　三関村
　高五百六石参斗八升　　　戸数　参拾八軒　　人口　百九拾壱人　　馬　弐拾四疋
　　　　狐禅寺村
　高九百参拾八石二斗五升　戸数　百四拾五軒　人口　八百弐拾弐人　馬　百九拾参疋
　　　　滝沢村
　高千弐百九石六斗七升　　戸数　百六拾九軒　人口　千参拾八人　　馬　弐百弐拾弐疋
　　　　牧澤村
　高参百九拾参石九斗参升　戸数　参拾四軒　　人口　弐百七人　　　馬　四拾四疋
　　　　鬼死骸村
　高八百九石四斗弐升　　　戸数　七拾九軒　　人口　四百九拾弐人　馬　百疋


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底本：「復刻　眞瀧村誌」
　２００３（平成１５）年６月１０日発行
発行者　眞瀧村誌復刻刊行委員会
代表　蜂谷艸平
　２００４年３月１０日作成