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昭和62年9月3日、国営須川開拓建設事業完工式においての挨拶を紹介いたします。 |
本日ここに、関係者多数御出席の下に、国営須川開拓建設事業の完工式が挙行されるに当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
御承知のように、農業は、国民生活にとって最も基礎的な物質である食料の安定供給を始め、活力ある健全な地域社会の形成、国土・自然環境の保全など、我が国経済社会の発展と国民生活の安定を図る上で極めて重要な役割を果たしております。
しかしながら、最近の我が国の農業をめぐる情勢を見ますと、米を始めとする一部農産物の需給の不均衡、農業労働力の高齢化、混住化の進行等、多くの問題に直面しているほか、諸外国から農産物の市場開放が要請され、また、行政改革の観点から、よりいっそう効率的な農政の推進が求められるなど誠に厳しいものがあります。
このような情勢の下で、我が国の農業がその役割を適切に果たしていくためには、需要の動向に即応した農業生産の再編を進めつつ、農業経営の安定と生産の向上を図っていくことが不可欠であります。
このため農林水産省と致しましては、構造政策の推進を農政の重点に置き、農地の流動化の推進、中核農家の育成など各般の施策を講じているところであります。
このようなときに当たり、国営須川開拓建設事業が着工以来18年有余の歳月と119億円の事業費をもって、ここに完成し、500haにわたる農地が造成されると共に、既耕地200haの区画整理、200haに及ぶ農地に対する農業用水の安定的供給及び排水改良が実現され、これによって本地域における農業生産の安定と農業経営の近代化が図られたことは、誠に意義深いものがあります。
本日ここに完工の日を迎えることが出来ましたのは、岩手県御当局を始めとする地元関係者の皆様の熱意とご尽力のたまものであり、深く敬意を表する次第であります。
関係各位におかれましては、今後一層のご努力と創意工夫により本事業によって造成されました農地及び施設を十分に活用され、本地域の農業経営の発展と近代的で豊かな農村の建設に邁進されますことを心から祈念いたしまして、私の挨拶と致します。
昭和62年9月3日
農林水産大臣 加藤 六月
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更新履歴 新規作成日:2004/04/01
最終更新日:2012/09/24 |
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