県営灌漑排水事業    県営ため池等整備(用排水施設整備)事業
完工の挨拶


1.事業の概要及び経過

 本地区は、岩手県の最南部に位置し、一関市と花泉町にまたがり、国営総合パイロット事業で山間部を開拓した、受益面積595.3haを有する水田地帯である。
 地区の水源は北上川で、揚水機により揚水しパイプラインにて灌漑している。
 
昭和46年から62年までに築造された施設のなかで基幹の揚水機、変電所、電気設備、計器類、制御盤等次々に突発的な故障が生じ、莫大な維持管理費と営農経営に大きな支障をきたしている状況である。

 本計画に於いて、安全確保のため最新の変電所設備と揚水機を改修すると共に、各分水工に流量計を設置し、掛流し防止のため、自動給水栓を設置し節水を図り、水資源の有効利用と営農の省力化に努め農業生産性の向上と、維持管理費の節減で農家経営の安定を向上させるものである。


2.地域及び地積

 @ 地域 : 岩手県一関市・西磐井郡花泉町
 
 A 地積 : 
事  業  名  
(ha)

(ha) 
樹園地
(ha)

(ha)
県営灌漑排水事業
(水管理改良型)
一関市 241.4 23.7 97.6 362.7
花泉町 137.3 43.1 52.2 232.6
合 計   378.7 66.8 149.8 595.3

 B 水利状況
   
   (1) 用水状況
 本地区の用水源は、一関市弥栄字小間木地内の一級河川北上川で、横軸両吸込渦巻ポンプD600×350mm 2台、モーター 1,600KW 2台で吐水槽に揚水し、そこからφ1,100oの幹線パイプラインで地区中央の調整池に送水される。更に中央管理所における集中監視制御のもとに、各団地分水され、末端ほ場までパイプラインにて灌漑されている。しかし、近年、揚水機、受変電設備、制御機器、管路等の老朽化が進行している。

   (2) 排水状況

 地区内の排水路は、ほとんどが鉄筋コンクリート水路で装工され、各系統毎に自然排水されている。

 C 道路状況

  本地区の中央を国道284号線とJR大船渡線が並行して東西に走り、また主要地方道弥栄・金成線が地区南側に位置し、地区の各団地を結ぶ幹線道路がこれに接続している。各ほ場に接続する支線道路、耕作道路は、末端までそれぞれアスファルトまたは敷砂利等で舗装整備されている。

 D 営農状況

  本地区の農業生産は、水稲を中心とした果樹等との複合経営で、経営規模は1.3ha/戸である。1.0ha未満が50%、1.0ha〜2.0haが32%、2.0ha以上が18%となっている。
  専業農家は10%、第一種兼業農家は25%、第2種兼業農家は75%である。

3. 主要工事の内容

 @ 揚水機

 第1号揚水機場改修 D600×350・1,600Kw 1台
                      オーバーホール
               D500×350・1,120Kw 1台
                      設置
 変電設備                       1ヶ所
 遠方操作設備改修                 1式
 耐雷トランス設置                   1式
 流量計、弁類改修                  1式
 第2揚水機場〜第4揚水機場
           配電盤               1式

 A 用水路

 空気弁設置        125ヶ所  (φ25〜φ150)
 制水弁設置          7ヶ所  (φ350〜φ800)
 給水栓設置      1,340ヶ所
 取水水門             1基  (φ1,500)
 吐水槽水門           1基

4. 事業費

 総事業費 1,145,550千円(内 事務費 54,550千円)

5. 工事期間

 平成10年度 着工
 平成14年度 完成


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更新履歴 新規作成:Apr.1,2004
       最終更新日:Mar.29,2006