国境措置を撤廃した場合の国内農業等への影響(試算)
平成19年2月
農林水産省

我が国の農業は国土条件の制約があり、米国・豪州等の諸外国の農業との間には、努力だけでは埋めがたい生産性等の格差が存在。こうした格差を調整す
るため、諸外国と同様にWTOでも認められた関税等の国境措置を設定しているところ。


T国境措置の撤廃が我が国農業及び農産物加工業に及ぼす影響

1.試算の考え方

○ 仮に、我が国が農産物等の国境措置を撤廃した場合について、以下のような前提の下で、国内農業等への影響を試算。
【試算の前提】

・我が国が、すべての国に対し、すべての農産物及び農産物加工品・加工食品等(以下「農産物等)の関税をはじめとする国境措置を撤廃する。)
・国内需要量は変わらない。
 ※ 国民一人あたり供給熱量が横ばいから漸減傾向にあること、人口減少、少子・高齢化の進行がみられること等を踏まえ、農産物等の品目毎の国内需要量は増加(変化)しないと見込む。
・ 我が国の輸入の増大が世界の農産物需給に影響を与えない(国際価格は変動しない。)
・動植物検疫条件は現行どおりとする。
・財政負担等による追加的な対策を行わない。
・ 関税率が高い等国境措置撤廃の影響が大きいと考えられる農産物等であって、個別に影響を見通すことが可能なものを対象とする。
 ※ 試算対象とした農産物及び農産物加工業は別紙1のとおり。


○ 国産農産物等の生産への影響については、品目毎に、
@ 内外価格差
A 国産品と外国産品の品質上の競合関係
B 主要輸出国の生産・輸出余力
等を勘案して、国産品が外国産品に置き換わると考えられる量を見積もり、この量に相当する分だけ国内生産が減少すると仮定して影響を試算。

2.試算結果

(1)農産物

○ 内外価格差が大きく、品質格差がない、あるいは外国産品の方が品質が高い品目を中心として、国境措置の撤廃により、国内市場に価格の安い外国産の農産物が大量に流入。それにより、多くの国産農産物が大幅に市場シェアを失い、国内生産が縮小。最終的に、約3兆6千億円、現在の農業総産出額(約8兆5千億円)の約42%に相当する国内生産額が減少。

○ 影響のシナリオ別には、以下のとおり。(具体的な品目とその生産減少額は別紙2のとおり。)

ア)内外価格差が大きく、かつ品質格差がないこと等により、関税を撤廃すると外国産品の輸入が増大し、国産品の生産がほぼ壊滅すると見込まれる品目
5品目生産減少額▲約2,400億円
品目名:小麦、甘味資源作物、でん粉原料作物、加工用トマト、繭

イ)内外価格差が大きく、品質面等で優位な一部の国産品を除いて外国産品と置き換わり、国内生産の過半が減少すると見込まれる品目
6品目生産減少額▲約1兆3,600億円
品目名:生乳、牛肉、豚肉、大麦、小豆、こんにゃくいも

ウ)品質面等において国産品に優位性があるが、特定の用途仕向けや一部の品質等級のものが競合し、価格の安い外国産品と置き換わると見込まれる品目
8品目生産減少額▲約1,800億円
品目名:鶏卵、鶏肉、茶、落花生、いんげん、かんきつ類、りんご、パインアップル

エ)米については、国産米の価格競争力が極めて低いため、・当面は、外食・中食・加工用等の低価格志向の需要を中心に置き換わると見込まれる
生産減少額▲約8,400億円
・最終的には、農家の自家消費分や一部のこだわり米への需要分等を除いてほとんどが外国産に置き換わると見込まれる
生産減少額▲約1兆8,200億円

(2)農産物加工業

○ 農産物加工品や加工食品(以下「加工品等」)の国境措置もなくなるため、製造コストの安い外国産加工品等の輸入が増加。国産農産物の需要先である多くの農産物加工業が打撃を受け、事業からの撤退や生産の減少を余儀なくされる。
(1)で試算の対象とした農産物に関連する主な農産物加工業だけに着目しても、国産加工品が市場シェアを失うために減少する生産額は約2兆1千億円。((注)一部は、農産物としての影響と重複)

○ 影響のシナリオ別には、以下のとおり。(具体的な業種とその生産減少額は別紙2のとおり。)

ア)加工品等の内外価格差が大きく、かつ品質格差がないため、国内製造業者のほぼすべてが撤退すると見込まれる業種
9業種生産減少額▲約5,900億円
業種名:精製糖業、国産糖業、コーンスターチ製造業、異性化糖製造業、トマト加工業、でん粉製造業、こんにゃく精粉加工業、果実加工業の一部、製糸業

イ)加工品等の内外価格差が大きく、国産品の需要が高級品、贈答用など品質的に競争力を有した一部のものに限られる結果、生産額が大幅に減少すると見込まれる業種
7業種生産減少額▲約1兆4,700億円
業種名:乳業、製粉業、米粉製造業、精麦業、麦茶製造業、果実加工業の一部、緑茶加工業

3.留意事項

○ 上記試算のほか、米、麦類、甘味資源作物、でん粉原料作物等が、国境措置の撤廃による直接的な影響を受けた場合、水田農業経営や大規模畑作農業経営が破綻し、その結果、大豆、そば等水田における転作作物や大規 模畑作の輪作構成作物として定着してきた品目の生産も減少する可能性。

○ 一方、上記試算においては、品質が外国産品と同等以下のため、低廉な外国産品に置き換わると見込まれる国産品(競合品)の生産減少額のみを計上しているが、実際に国境措置が撤廃され、低価格の外国産品が市場に流入した場合には、品質が高いために生産が維持されるとした国産品(非競合品)の価格も輸入価格の影響を受けて下がり、国内の生産額がさらに減少する可能性(例えば、大幅に価格の低い外国産牛肉が大量に出回る中では、生産が維持されると見込まれる国産高級牛肉の価格も一定程度下落する可能性があると考えられる)。

○ また、上記試算においては、品目グループ内で需要に代替関係がある品目(果実など、漬物や冷凍野菜など様々な農産物が含まれる品目等)については、影響を評価することが困難なため対象としなかったが、これらの品目についても、国境措置の撤廃により、価格面で優位な外国産品の輸入増加と国産品の価格低下が生じると考えられ、国内生産の減少額はさらに大きくなる可能性。果実等においては、安価な外国産品が大量に市場に流入した場合、品目内での競合のみならず、品目グループ内の競合などにより消費構造が変化し、国産農産物への需要が減少する可能性(果実等については、多くの消費者は、その時々の品揃え、価格等によって特定の品目に固執せずに選択)。


U国境措置の撤廃が国内産業全体や食料自給率、農業の有する多面的機能に及ぼす影響

1.国内産業全体への影響

国境措置撤廃により、Tで試算した規模の国産農産物等の生産減少が生じた場合、その生産に必要な農業生産資材、飼料、農業機械等の製造業、運送業など国内の幅広い産業に対する需要が減り、生産額が減少。国内総生産(GDP)の減少額は約9兆円(1.8%減)に達し、この結果として、約375万人(農業者を含む国内全就業者数の5.5%)分の就業機会が失われるおそれ。
地域別にみると、農業・農産物加工業等が産業全体に占める割合が特に大きい北海道(地域内総生産の6.1%減)を筆頭に、東北(同3.6%減)、九州(同2.4%減、沖縄(同2.0%減、中国、四国(同1.9%減)))で全国平均を上回る影響。
一方、大都市圏を有する関東、中部、近畿(同1.2〜1.5%減)の地域経済への影響は比較的小さいことから、経済の地域間格差の拡大につながるおそれ。

2.食料自給率への影響

Tで試算した規模の国産農産物の生産減少が生じた場合、我が国のカロリーベースの食料自給率は現在の40%から12%まで低下。(米が、外食・中食・加工用等の低価格志向の需要を中心に置き換わる場合であっても23%まで低下)また、国内農業生産の大幅な縮小は、国内の農地、農業用水等の生産基盤の荒廃に直結するばかりでなく、効率的に農業生産を行いうる農業者とそこに蓄積された幾多の農業技術・ノウハウの維持を困難にすることから、食料の需給状況の変化に対応して国民に食料を生産・供給する力そのものが大幅に低下。
さらには、現状以上に食料自給率が低下した場合、輸出国から足元を見られ、国際市場での食料調達場面における我が国の交渉力が低下するおそれ。

国境措置を撤廃し、輸入への依存度を高めることについては、以下のような視点からも問題。

@ 意欲ある農業者や優良な農地等の生産資源が現に存在し、国内で十分に農業生産を行えるにもかかわらず、それを放棄し、あえて特定の農産物輸出国に国民の食料の大半を委ねている国はない。
A 食料・農業・農村基本法には国民に対する食料の安定的な供給は国内の農業生産の増大を図ることを基本とする旨が規定され、また、国は、こうした基本理念にのっとり、関連施策を総合的に策定・実施する責務を負うこととされている。

3.農業の有する多面的機能への影響
Tで試算した規模の国産農産物の生産減少が生じた場合、農作物作付面積は全体で272万ha減少(耕地面積の約6割に相当)。
国境措置撤廃の影響が土地利用型作物を中心に幅広い品目に及び、また、野菜等比較的影響が軽微な作物に生産を転換しようとしても、その作物の国内需要量の大幅な拡大は期待できないことから、多くは耕作放棄地化。
水田等の耕作放棄地の増加に比例して、洪水防止、地下水涵養等農業が有する多面的機能が低下し、河川氾濫のリスクが高まるなど、都市部の住民の生活面にも悪影響を及ぼす可能性。貨幣評価額にして数兆円規模(毎年)の影響※。


※ 日本学術会議による試算(平成13年11月)をもとに算出。
洪水防止機能約2兆3,600億円減(67%減)
河川流況安定機能約1兆3,200億円減(90%減)
地下水涵養機能約500億円減(90%減)
土壌浸食防止機能約2,000億円減(59%減)


生産性向上努力と関税水準生産性向上努力と関税水準
現在進行中の農政改革が着実に進むとともに、農業生産の技術革新が進展し、食料・農業・農村基本計画に併せて示した経営展望及び構造展望が実現した場合、生産コストの低減は、最大で現在の生産費の3〜4割程度と試算しているところ(このようなコスト低減についても、農業者は、農地拡大のための新たな投資や新品種・新技術の導入などの様々なリスクを負いつつ、相当期間経営改善のための努力を続けなければ実現不可能)。

しかしながら、狭い国土、湿潤で病害虫が発生しやすい気象、高い人件費等わが国の農業生産の前提となる諸条件の下では、農業者の生産性向上努力を最大限引き出したとしても、国土条件が大幅に異なり、経営規模にして我が国の百倍から数千倍もの大規模経営が広がる米国や豪州のような国で生産される低廉な農産物との価格差を完全に解消することは不可能。また、中国のように、安い人件費を前提とした農業が可能な国からの農産物と対等に競争することも当面は極めて困難。


農産物等の価格低下がもたらす効果等農産物等の価格低下がもたらす効果等

1.食品産業
一般論として、原料農産物や加工・半加工された食材製品の価格が低下すれば、原材料費を低減でき、販売単価の引下げが可能となるため、市場シェアの維持・拡大につながる可能性。
ただし、実際には、加工食品や外食においては、一般に最終製品価格に占める原材料費(農産物)のウエイトは小さく、その価格が低下してもコストの大きな部分を占める人件費や諸経費等が変わらないため、価格引き下げ幅はそれほど大きくない可能性。
また、製品に課せられた国境措置が撤廃され、製品ベースでのコスト競争や品質面の競争が新たに生じる菓子や植物油脂等の業種においては、低廉な外国製品に市場シェアを奪われることになり、事業からの撤退・縮小や、人件費や諸経費等の安い海外に製造拠点を移動することによる国内産業の空洞化を招くおそれ(国産農産物のさらなる需要減退につながるおそれ。)

2.消費者
消費者にとっては、国境措置撤廃によって、農産物や加工食品等の価格低下による直接の経済的メリットや、商社等が農産物等の輸入機会を増大させることによる商品の選択肢の拡大等のメリットが生じる可能性。
しかしながら、Tの試算を基にした場合、消費者が、より安価な農産物を手にすることによって生じる余剰金から約3兆3千億円注1の新たな消費が生み出される一方で、農業生産の減少を端緒とした農業者・関連産業従事者の収入減少に伴う消費の減少は、これを上回る約3兆5千億円注2に上ると見込まれるところ。

注1:農産物の国内価格が輸入価格水準まで下落した場合の物価低下率を国内純生産に乗じ、さらに消費性向(民間消費支出/国内純生産)を乗じて算出。
注2:産業連関分析を用いて算出した国境措置撤廃時の国内純生産減少額(1次波及効果)に消費性向を乗じて算出。

また、経済的なメリットは、人口が多い大都市圏に集中する反面、産業の縮小とそれに伴う消費の減少といったデメリットは、産業に占める農業や農産物加工業等割合が多い地方・農村部に偏ることになると見込まれ、地域間で経済格差の拡大を助長することにつながるおそれ。

さらに、農産物価格が低下しても、加工・流通段階で必要となる人件費や諸経費等は変わらないため、最終製品価格に農産物価格の低下分が転嫁されない場合があるなど、消費者にもたらされる直接の経済的メリットは限定的になる可能性。

注3:国境措置撤廃に伴う国内農業への影響の抑制・緩和を目的として、農家手取り収入の確保等のために追加的に財政支出を行い、国民にさらなる税負担を求めることになれば、消費者の経済的メリットが相殺される可能性があることにも留意が必要。

さらに、食料自給率が極端に低下すること等によって、国全体として食料の安定供給に対する潜在的な不安感が増大する等のデメリットも考えられるところ。事実、国民の約7割が現在の食料自給率(平成17年:40%)を低いと感じている(注4)。

注4:平成18年12月に公表された内閣府による「食料の供給に関する特別世論調査」の結果によれば、我が国の食料自給率(供給熱量ベース)が40%であることについて「低い」と回答した者が全体の47%「どちらかというと低い」と回答した者が全体の23%。

加えて、我が国が、一度失われれば回復が難しい食料供給力を大幅に縮小させ、不測の事態が生じた場合には、もはや国内の農業生産で国民を養うことができない状況(注5)となり、国民の生活基盤が脆弱化。

注5:現在の我が国の農地面積等の条件の下であれば、不測の事態が生じた場合でも、いも類等の増産により国民が生活していくために最低限必要な熱量をすべて国内で生産することが可能と試算しているところ。

V国境措置撤廃の影響を緩和・抑制するために追加的に必要な措置V国境措置撤廃の影響を緩和・抑制するために追加的に必要な措置

1農産物価格の下落に対応するための追加的経費
国境措置が撤廃された状況下で国産農産物が安価な外国産品に対抗するためには、品質的に競合する限り、外国産品の輸入価格と同等以下の価格で販売する必要。
その場合、農業者が現状程度の手取り収入を得るためには、販売収入の他に、農産物の価格下落に見合うだけの差額を別途補てんする必要。

2関連産業対策のための追加的経費
国産農産物の生産を確保するためには、その需要先である加工産業の操業を併せて確保する必要。主要輸出国に比べて国内の製造コストが割高な加工品等は、たとえ原料農産物を安価な輸入価格水準で入手できたとしても、外国産の製品が自由に輸入できる状況の下で競争に敗れ、生産が減少するおそれ。
このため、1の差額補てんとは別に、国産の加工品が外国産品と対抗できるよう、加工品の製造コストを主要輸出国のそれと均衡させるための措置が必要となる可能性。

31、2を講じても残される課題(国境措置から財政支援へと転換することの問題点)
関税等の国境措置は、国内市場価格を高水準に保ち、間接的に農業者の手取り収入を確保する機能があるだけでなく、関税率や関税割当制度等を組み合わせることによって輸入量を調節し、国産品の販路を確保することも可能な手法。
仮に、国境措置を撤廃し、その代わりに巨費を投じて1、2のような措置を講じても、以下のような課題が残され、国内農業等の生産減少、食料自給率の低下等は避けられない。

@ 農業者の手取り収入を確保することにより、当面の国産品の生産を維持したとしても、国境措置がなく、外国産品の輸入量が調節できない条件の下では、国産品と外国産品とが同程度の価格でも、均質でまとまったロットを確保しやすいなどの有利性がある外国産品が選択されるケースが生じ、これまでに比べれば輸入は一定程度増加。その分の国産品は在庫として積み上がったり、廃棄されることになる。

Aこのようなかたちで市場を奪われた国産品にまで農業者等の手取りを確 保することは、生産活動に対する対価ではない無償給付であり、農業者も含め国民(納税者)の理解が得られないため、実施は困難。また、現在農業者が取り組んでいる生産性向上や構造改革に向けた意欲を損ねることになりかねない。

さらに、国土や自然環境の保全等の多面的機能は、消費者に求められる農産物の生産を目標に、農作物やほ場環境をできる限りよい状態に管理しようと努める生産活動によって発揮されるもの。

上記のような状況となれば、農業者の意欲が減退し、適切な生産活動が行われなくなる結果、多面的機能が十分に発揮されなくなるおそれ。

4価格差補てん額の見積り
1に示した国産農産物の価格低下分を補てんするための費用だけで、少なくとも毎年約2兆5千億円※が新たに必要になると見積もられるところ。

※ 国内価格と輸入価格との差額に競合対象となる農産物の生産量を乗じて機械的に費用を求めたもの。どの程度の財政支出が適当かという政策的判断を含むものではない。


(別紙1)

試算対象とした農産物及び農産物加工業

【農産物(20品目)】
米、小麦、大麦(裸麦含む)、いんげん、小豆、落花生、甘味資源作物(てん菜・さとうきび)、でん粉原料作物(かんしょ・ばれいしょ、緑茶、)こんにゃくいも、繭、加工用トマト、かんきつ類、りんご、パインアップル、生乳、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵

【農産物加工業(15業種)】
米穀粉製造業、製粉業、精麦業、麦茶製造業、国内産糖業、精製糖業、でん粉製造業、異性化糖製造業、コーンスターチ製造業、製糸業、こんにゃく精粉加工業、緑茶加工業、トマト加工業、果実加工業、乳業

※上記「農産物」の川下にあって一次的な加工を行う主な業種等。


(別紙2)

品目・業種別の生産減少額等

1.農産物

ア)内外価格差が大きく、かつ品質格差がないこと等により、関税を撤廃すると外国産品の輸入が増大し、国内での生産がほぼ壊滅すると見込まれる品目
5品目生産減少額▲約2,400億円

品目国内生産額生産量減少率生産減少額

小麦1,187億円▲ 99%▲1,174億円
甘味資源作物970億円▲100% ▲970億円
でん粉原料作物205億円▲100% ▲205億円
加工用トマト23億円▲100% ▲23億円
繭12億円▲100% ▲12億円

イ)内外価格差が大きく、品質面等で優位な一部の国産品を除いて外国産品と置き換わり、国内生産の過半が減少すると見込まれる品目
6品目生産減少額▲約1兆3,600億円

品目国内生産額生産量減少率生産減少額

生乳6,664億円▲ 88%▲5,799億円
牛肉4,697億円▲ 79%▲3,706億円
豚肉5,245億円▲ 70%▲3,671億円
大麦215億円▲ 64% ▲138億円
小豆183億円▲ 75% ▲137億円
こんにゃくいも111億円▲ 90% ▲100億円

ウ)品質面等において国産の優位性があるが、特定の用途仕向けや一部の品質等級のものが競合し、価格の安い外国産品と置き換わると見込まれる品目
8品目生産減少額▲約1,800億円

品目国内生産額生産量減少率生産減少額

鶏卵4,556億円▲ 20% ▲911億円
鶏肉2,571億円▲ 30% ▲771億円
茶1,583億円▲ 16% ▲50億円
りんご1,378億円 ▲8% ▲24億円
かんきつ類1,574億円▲ 10% ▲17億円
落花生69億円▲40% ▲16億円
いんげん52億円▲ 20% ▲11億円
パインアップル15億円▲ 39% ▲1億円

エ)米
@当面は、外食・中食・加工用等の低価格志向の需要を中心に置き換わると見込まれる


A 最終的に、農家の自家消費分や一部のこだわり米への需要分等を残してほとんどが外国産に置き換わると見込まれる品目
国内生産額生産量減少率生産減少額

米@2兆230億円▲ 42%▲8,410億円
米A(同上)▲ 90%▲1兆8,223億円

試算対象とした農産物の合計での生産減少額等は以下のとおり。
品目国内生産額生産量減少率生産減少額

試算対象品目計5兆1,540億円▲ 70%▲3兆5,959億円
※米生産量の減少が90%に達する場合(上記エのA)


2.農産物加工業2.農産物加工業

ア)加工品等の内外価格差が大きく、かつ品質格差がないため、国内製造業者のほぼすべてが撤退すると見込まれる業種
9業種生産減少額▲約5,900億円

業種国内生産額生産量減少率生産減少額

精製糖業1,925億円▲100%▲1,925億円
国産糖業1,341億円▲100%▲1,341億円
コーンスターチ製造業971億円▲100% ▲971億円
異性化糖製造業736億円▲100% ▲736億円
トマト加工業460億円▲100% ▲460億円
でん粉製造業324億円▲100% ▲324億円
こんにゃく精粉加工業136億円▲100% ▲136億円
果実加工業※23億円▲100% ▲23億円
製糸業8億円▲100% ▲8億円
※みかん缶詰、パインアップル缶詰

イ)加工品等の内外価格差が大きく、国産品の需要が高級品、贈答用など品質的に競争力を有した一部のものに限られる結果、生産額が大幅に減少すると見込まれる業種
7業種生産減少額▲約1兆4,700億円

業種国内生産額生産量減少率生産減少額

乳業2兆1,674億円▲ 56%▲1兆2,034億円
製粉業4,118億円▲ 50%▲2,059億円
米穀粉製造業323億円▲ 90% ▲291億円
精麦業209億円▲ 80% ▲167億円
麦茶製造業130億円▲ 80% ▲104億円
果実加工業※90億円▲69〜79% ▲66億円
緑茶加工業778億円 ▲3% ▲25億円
※かんきつ果汁、りんご果汁


[ホーム]          [農産物貿易ルール] [世界貿易機関][自由貿易協定]
更新履歴 新規作成:Mar.29,2009
       最終更新日:Mar.29,2009
Copyright (C) 2002 須川土地改良区